グランビルの法則とは売買のタイミングを判断する手法として、60年程前に移動平均線を考案したジョセフ・E・グランビル氏によって考案されたものです。
現在の価格と移動平均線を組み合わせ、その位置関係などから4つの買いのタイミングと4つの売りのタイミングの合計8つのタイミングを計ろうというものです。
これは仮想通貨やFX、にも言える事ですが、投資をはじめた初心者の方は何をおいてもこの「グランビルの法則」「ダウ理論」と、「移動平均線」は必ず覚えてください。
テクニカル分析「移動平均線」とは-株式投資、FX、仮想通貨で使うトレンドフォロー系指標
これらは、基本の基本となります。
熟練と化した私でさえも、トレードで失敗した時はこの基本の基本に戻り、再度勉強し直しているぐらいですから。
なんやかんやと深く読み過ぎてドツボにはまる時もありますが、そういった時にここに戻ってくると「実は基本どおりの動きだったんだな」と、悔し涙を流した経験は何度となくしています。
お勧めです。
ではそれぞれの説明に入っていきたいと思います。
目次
投資(株式、FX、仮想通貨)でもっとも使われているグランビルの法則
この 「グランビルの法則」 は移動平均線を使うチャート分析の基本として、 「ダウ理論」 と共に現在でも世界中のトレーダーにより使われています。
では図を参考に見ていきましょう。
買いのタイミング
①買いの法則
移動平均線が下落後、横ばいになるか上昇しつつある状況で、 ローソク足が移動平均線をゴールデンクロス したタイミングです。ゴールデンクロスが出ることは、その銘柄はこれから上がっていく兆候だといわれ、買いシグナルとなります。
②買いの法則
現在ローソク足が移動平均線を下回ったものの、 移動平均線が上昇方向に向かって いる段階です。一時的な調整タイミングと考え、押し目の買いシグナルとなります。
③買いの法則
現在ローソク足が下落するものの、 クロスをしないで移動平均線の手前で反発 しているタイミングです。移動平均線が上昇トレンドにあることも重要です。押し目の買いシグナルとなります。
④買いの法則
移動平均線が下落傾向で、 ローソク足が移動平均線と大きく乖離 しているタイミングです。。自律反発期待の短期的な買いシグナルとなります。
以上が4つの買いのタイミングになります。
なお、初心者でも比較的捉えやすいのは①と③の買いのタイミングとなります。
売りのタイミング
①売りの法則
移動平均線が上昇後、横ばいになるか下落しつつある局面で、 ローソク足が移動平均線をデッドクロス したタイミングです。基調が下降に転じる長期的な売りシグナルとなります。
②売りの法則
移動平均線が下落している局面で、 ローソク足が移動平均線をゴールデンクロス しているタイミングです。移動平均線が下降中であるのに、これを下回っていた株価が上回るまで急騰した場合、戻りいっぱいの売りシグナルとなります。
③売りの法則
ローソク足が移動平均線に向かって上昇してきたものの、 移動平均線を上に抜けることもなく反落 していくタイミングです。戻りの売りシグナルとなります。
④売りの法則
上昇トレンド中に 買いが加速して移動平均線がついて来れなくなった 、いわゆる「買われすぎの状態」を見極めて売りで取引を行う事になります。このポイントは大きく乖離した時が売りシグナルとなります。また、瞬間的に相場が大きく下落しても、その後一気に反転する事もあるので一瞬の判断が必要になります。
以上の4つが売りのタイミングになります。
現物だけで空売りはしないという方でも、この売りのタイミングを知っておくことは大切です。
もし保有している銘柄やペアがグランビルの法則の売りのタイミングと重なった場合には、売却することでその後の下落を避けられるかもしれません。
ぜひ、チャートツールをなどを利用して様々な銘柄やペアで研究してみてくださいね。
では、次は「ダウ理論」の説明となります。
ダウ理論とは
ダウ理論は株式やFX、仮想通貨などのチャート市場での値動きを評価するための理論であり最も重要なテクニカルのひとつです。
一度「上昇」もしくは「下降」というトレンドが始まったら、
それを反転させる現象がおきないかぎり、相場は「上昇」もしくは「下降」を続ける。
これがダウ理論です。
このダウ理論にはベースともなる6つの原則が提唱されており、以下の通りになります。
テクニカル分析の元祖とも呼ばれている理論ですので、しっかりと頭に叩き込んでおきましょう。
1.平均はすべての事象を織り込む
経済指標や、天災などのあらゆる事象が価格に織り込まれることになります。つまり、テロなど突発的なことが起きて価格が乱高下したとしても、 ファンダメンタルの材料は全て価格に織り込まれている ことを示しています。
2.トレンドには三種類ある
ダウ理論では、相場には「主要トレンド」「二次トレンド」「小トレンド」の3つのトレンドがあるとされています。
・ 主要トレンド ・・・1年~数年周期のサイクル
・ 二次トレンド ・・・3週間~3ヶ月のサイクル
・ 小トレンド ・・・3週未満のサイクル
3.主要トレンドは三段階からなる
主要トレンドは市場参加者の動向によって、3つの段階に分けられるとされています。
・ 先行の段階 ・・・価格が下落した後、悪材料出尽くしと読んだ投資家が底値買いを狙い、先行して買い始める時期
・ 追従の段階 ・・・価格が上昇し始めて追従型の投資家が買い始める時期。
・ 利益確定の段階 ・・・先行の段階で買い付けた投資家が売りに出て利益確定をする時期。一般的に上昇傾向が認識され、一般投資家が買い始める。
4.平均は相互に確認確認されなければならない
一つの指標ではなく、複数の指標が上昇方向に向かって初めて上昇トレンドと考えられる。一方でしかシグナルが確認できない場合は、明確なトレンドとして捉えることはできず、逆にほぼ 同時にシグナルが発生した場合は、信頼度の高いトレンド と言えます。
5.トレンドは出来高でも確認されなければならない
ダウ理論では、トレンドは出来高を伴わなければ本物とはみなしません。 株価と出来高がセットで上昇して本物の上昇トレンドとします 。
上昇トレンドの場合・・・出来高増=価格上昇 出来高減=価格下落
下落トレンドの場合・・・出来高増=価格下落 出来高減=価格上昇
6.トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
トレンドに従った売買が基本であり、一旦トレンドが確認できると、 シグナルが出てトレンド転換が確認できるまでは、トレンドに追随していく という順張りの原則です。トレンドに逆らった売買は難しいと、考えています。
以上がダウ理論の6つの原則との説明とまります。
グランビルの法則とダウ理論は相場の基本ともなるものですので、自身のトレードスタイルに取り入れてみてはいかがでしょうか。